News ナンバー8

包茎


器官の発生過程において、亀頭と包皮は表皮が繋がっており、発育と共に亀頭と包皮は分離する。分離がすべて終わって、包皮を反転し亀頭を全露出することが可能になる時期は、誕生期から思春期の終わりまで、個体によって非常に大きな差がある。ヒトにおいて統計的には、半数が約10歳までに包皮を反転可能になり、残り半数は思春期の終わりまでに反転可能になることが知られている。(割礼を参照)

ヒト成人の亀頭を包む包皮が、勃起時に容易に亀頭の根元まで反転できない場合を包茎 (phimosis・特に真性包茎とも) と言う。それ自体は病気ではなく、感染症による亀頭と包皮の癒着や、無理な力で反転された包皮の傷跡の硬化などによる、一種の後遺症と考えられている。ただし動物(哺乳類)の多くでは、亀頭部分を保護する目的から、包茎ないし表皮の下に埋もれている事が常態で、勃起時にのみ突出する。シロナガスクジラの陰茎は最大で約3mの長さを持つが、これは通常の遊泳時にはS字型に表皮下に収納されており、外部に露出していない。このため性器の問題として「包茎」という場合には、主にヒト陰茎の状態を指し、それ以外の動物生殖器に関しては、余り意識して同語は用いられない。

このヒト陰茎に於いて手で容易に剥いたり戻したり出来る場合は仮性包茎といい、日本の成人では60%程度が同種の状態であるといわれている。性交するという機能面では問題とまではされないものの、不潔だとするイメージも聞かれ、当人の劣等感の元となるケースが見られる。成人の包茎(真性包茎)人口割合は約1%から2%と推定されている。どちらも基本的に勃起の妨げに成らないのであれば機能上に於いて問題無い(女性を妊娠させる事が可能)と言えるが、真性包茎の極端なケースでは、亀頭との癒着部分や先端部が無理に伸ばされる事によって、勃起時に激しく痛みを訴える人もいる。

またこの真性包茎を無理な力で包皮を反転して亀頭を露出させてしまい包皮が元に戻らなくなった状態を、嵌頓包茎(かんとんほうけい)と言う。嵌頓包茎は亀頭を鬱血させ壊死させる恐れがあるため、緊急に処置する必要がある。このように勃起するという陰茎の機能面で問題が出るケースでは、日本では外科的措置を受ける場合に於いて健康保険適用対象である。

因みに、陰茎の非勃起時に包皮が剥けても、勃起時に剥けなくなるのは包皮輪狭窄といい、嵌頓包茎とは言わないので注意が必要である。また、包皮輪狭窄は自分で包皮を広げる練習をしていれば直るので、通常の場合、手術などは必要ない。この場合、多くは真性包茎という扱いになる。



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